2014年10月06日

シニア健康診断キャンペーン

 10月1日より恒例のシニア健康診断キャンペーンを実施しております。
 近年、飼主さんの意識の向上や獣医診療技術の向上などによって『長生き』するワンちゃんネコちゃんがとても増えてきました。それに伴い、さまざまな老齢性疾患も相対的に増加しています。
 “呼んでも反応が悪い”“散歩に行きたがらない”“食事の量が減った”などの変化を「もう年寄りだから・・・」と放置していませんか? そうした見える症状の影には緑内障、関節炎、心臓病、腎不全などの見えない病気が隠れているかもしれません。病気を早期に発見し必要な手を打つことは、飼主さんの経済的負担を軽くするとともに、老齢ペットたちの生活の質を維持するためにもとても大切なことです。
 「うちの子は人間で言うと今何才?」「何才からが年寄り?」と疑問をもたれる方も多いと思います。ネット上でもいろいろな年令換算表を散見しますが、今回は実際に診察する際の私なりの目安をお知らせします。
@小型犬、猫 7〜8才。 大型犬 5〜6才。
人間で言えば40〜50才。
おしもおされぬ立派なオジサン・オバサンです。まだまだ働きざかりで元気いっぱいの子もほとんどですが、そろそろいろいろな所にガタが出始める頃です。定期的な健康診断が必要になる年令です。
A小型犬、猫 10〜13才。 大型犬8〜10才。
人間で言えば60〜80才。
まだまだ元気な子もいますが、この位の時期から老齢性疾患の症状が顕著に現れ始めます。早め早めに積極的に治療し、症状の発現を防ぐ必要があります。
B小型犬、猫 15才以上。 大型犬12才以上。
人間で言えば90才以上の長老クラスです。
なんらかの疾患をもってる子がほとんどですが、負荷の強い治療は難しい場合も多く、症状の緩和や進行の防止が治療の主眼となります。
C小型犬、猫 20才以上。 大型犬15才以上。
人間で言えば120才以上。犬猫を超越し、もののけ(笑)や仏様(笑)に近い存在で一種レジェンドです。
もはや治療というよりは、より良い一日を出来るだけ長く続けていただくためのケアが中心となります。

 それではみなさん、レジェンド目指してがんばりましょう!

posted by SAYU at 17:21| 北海道 ☔| Comment(0) | 診察閑話 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年07月18日

セミントラ

 ネコの慢性腎臓病に対する新しいお薬『セミントラ』をお知らせします。有効成分テルミサルタンはARB(アンギオテンシンU受容体阻害薬)といい、人では慢性腎不全などで以前から用いられていましたが、今回動物用としては世界で初めて発売されました。
 生体内では、腎機能低下が起こるとレニンアンギオテンシン(RAA)系が活性化し、代償的に残った腎機能の働きを高めることで尿量を増やして体の恒常性を保とうとします。急性の腎不全などの一過性の腎機能低下では、これはたいへん有用な作用ですが、慢性腎臓病では少し異なります。長期的なRAA系の亢進は、持続的な尿蛋白の漏出と残った腎組織への過負荷によって病気の進行を逆に速めてしまいます。
 ARBはRAA系の有害作用を選択的に阻害し、腎機能を保護することで病気の進行を遅らせます。安全性も高く、99%以上が胆汁を介して便から排泄されるため腎臓に負担をかけません。また、剤型は少し甘い液体のお薬で、直接飲ませるても、エサに混ぜても与えることができます。
posted by SAYU at 19:37| 北海道 ☔| Comment(0) | 診察閑話 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年07月03日

皮膚病あれこれ@

 愛犬のアレルギー性皮膚炎でご苦労されているオーナーも多いと思います。我々獣医師にとっても皮膚疾患は悩み多く、コントロールがたいへん難しい疾患の1つであり、治療にはオーナーの協力が必要不可欠です。
 そもそも皮膚炎とはさまざまな原因により皮膚のバリア機能が低下することによって引き起こされます。バリア機能が低下した皮膚では容易に細菌感染がおこり、痒み、発赤、湿疹、脱毛、悪臭などの症状があらわれます。
 そのため治療の第一歩は感染予防の抗生物質投与と必要ならば痒みを抑えるお薬の投与、加えてバリア機能回復のためのスキンケア(シャンプー等)が基本となります。
 それでもなかなかコントロールできない、あるいは繰り返し症状が現れる場合には、その根本原因を探る必要があります。ざっと挙げると細菌感染、真菌感染、外部寄生虫感染、食物アレルギー、アトピー、内分泌疾患、自己免疫性疾患、腫瘍などが考えられます。ただそれらを検査や治療で特定していくのは、たいへん手間と時間がかかります。また慢性化した症例では2つ以上の原因が関与しているケースも少なくなく、治療はより複雑化し、オーナーの負担(さまざまな検査費用、必要な食事管理、まめなスキンケアなど)も増大します。
 ワンちゃんにとって有意義な治療でもオーナーに過度な負担を強いるような治療はけっしてうまくいきません。獣医師とオーナーがしっかりコミュニケーションをとって、それぞれのワンちゃんにあった治療を2人3脚で模索していく必要があります。
posted by SAYU at 12:53| 北海道 ☔| Comment(0) | 診察閑話 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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